2015.01.12

「公団のお話とゲートハッキング犯の国籍からタイタンの戦争の補足」

カウボーイビバップ 第14話ボヘミアン・ラプソディ

絵コンテ:都留稔幸 / 演出:山田弘和 / 脚本:佐藤大

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位相差空間ゲートハッキングの犯人を捕まえたビバップ号のメンバー。しかし彼らはただの実行犯であり、事件の首謀者の姿をとらえる事は出来なかった。スパイクたちは実行犯が持っていたチェスの駒を頼りに、事件の真相を追う。

第14話の主要スタッフ。絵コンテ・都留稔幸。演出は山田弘和。脚本は佐藤大。作画監督・しんぼたくろう。メカ作画監督・後藤雅巳。

以下は核心部分を含みます

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その昔、住宅都市整備公団という特殊法人がありました。略して住都公団。これはまだ、その住都公団が存在していた頃の話です。(今でもつきあいがある人も多いので若干話をぼかします)

もう十年以上前の話でしょうか。僕は働きだしていましたが、後輩たちはまだ大学でサークル活動をしていました。ある年の冬、そんな後輩たちにサークルの活動費がなくなったので、いいバイト先がないかとか相談された事があります。もちろん僕にそんなコネなどありません。するとその時、住都公団の偉い人が知り合いに(ちょっとぼかします)いると若い後輩が言いました。そしてその偉い人の口利きで、後輩たちは住都公団のイベントのティッシュ配りをするという流れになりました。ここまではよくある話しです。

そして二日に渡ってティッシュ配りをする訳なのですが、なぜか誰も一日のバイト料を聞かされておりません。不安になりながらティッシュ配りをしていると、そこに例の偉い人がやって来ます。しかし世間話はするものの、いっこうにバイト料の事には触れません。業を煮やしたサークルの部長が、バイト料はいくらなのかと詰め寄ります。するとその偉い人は、

偉い人「いくら欲しいの?」

と質問に質問で返してきます。唖然とする部長。しかし部長も部長で、常識と非常識の境界線ギリギリの XX,000円(ここもぼかします)などというふざけた金額を答えます。すると偉い人は「それだけでいいの?」とか言って、その金額を人数 ✕ 二日分払ってくれたそうです。お陰でサークルの活動費はうるおいましたとさ。めでたしめでたし。

バブル期の話ではなく、失われた十年と言われた時代の話です。確かこのイベントは二月か三月だったと思います。もしかすると年度予算を消化するためだけのイベントだったのかもしれません。そう考えれば、バイト料はいくらでもよかったのでしょう。なんとなく不条理な話です。

ちなみに後輩たちがティッシュ配りをしている時、僕はそのイベント会場でビールを飲みながら、後輩たちの働きぶりを眺めていました。

以上。

久しぶりに今回は薄っぺらい内容になるかと思います。

< 第14話に関して >

14話はスパイクを主人公と考えてしまうと、どうも構成がおかしくなってしまいます。そこで主人公はビバップ号のメンバーという事で考えていきたいと思います。

主人公

「ビバップ号のメンバー」

ストーリー

「位相差空間ゲートハッキングの賞金首を追うビバップ号メンバーは、黒幕までたどり着くが、ボケていたため見逃す」

分岐点と概略

第一幕概略 「ハッキング犯を捕まえるビバップ号メンバー」
第二幕への転換点(5m00s) 「手がかりが途絶え、お互いに協力をする事を決める」
第二幕前半概略 「三人が手に入れた情報説明」
中間点(12m00s) 「ヘックスが黒幕だと分かる」
第二幕後半概略 「ヘックスを探す」
第三幕への転換点(19m00s) 「ヘックスはボケていた」
第三幕概略 「ヘックスを見逃す」

第14話を分解

カウボーイビバップ 第14話 パラダイム

1.エド「おかえり。で、どう?」
三人が帰ってきた時のエドの台詞。そしてこの後、三人が一気にしゃべり出します。この時三人は何と言っているのか。書き起こしてみます。

  • スパイク「……だけだ。……」
  • ジェット「組織など無関係。遊ぶ金目当ての盗人だ。みんなで仲良く少年院さ」
  • フェイ「ただのチンピラ。襲った金も盗まれるフヌケ。自分たちの警察資金よ」

ジェットとフェイに関しては、これで間違いないと思います。しかし問題はスパイク。何度聞いても、何を言ってるか聞き取れません。北米版の字幕から推測すると「Dammit, was just a salaried employee that gave into his temptation.」が前半の部分の英訳になり、「ただ金につられて雇われただけだ」というようなニュアンスの台詞だと思われます。しかし後半の手がかりは全くありません。という事で残念ながら今回は諦めました。

そしてこの後の第二幕前半で、ここで話した内容を詳しく説明するという流れになります。

2.ゲート公団・実景
その時に写る看板。様々な言語で表記されていますが、公団(Public Corporation)で統一されています。公団とは行政機関の出資で出来上がった公益性の高い法人組織、いわゆる特殊法人です。一時期(と言っても大分昔ですが)天下りなどで色々と批判され、今の日本にはこの「公団」という組織は存在していません。

3.テーブルの上に置かれるチェスの駒
実行犯の持っていたチェスの駒が三つ置かれています。ポーン(歩兵)の駒を持たされていた方が、黒幕に操られる実行犯といった意味が出てよかったような気がします。しかし実行犯が持っていた駒はキングです。たぶん見た目の問題でキングになったのだと思われます。

★.モニターに写し出される実行犯たち
ここで表示される実行犯たちの犯罪名。英語で「HACKING. TAMPERING WITH MONEY DATA.」となっています。直訳すれば「ハッキング。マネーデータの改ざん」となります。Hackingという言葉に関しては第9話の分解1で触れたため省略します。

そして、その上に興味深い事が表記されていましたので、後述したいと思います。

4.ヘックスのそばにいるオウム
このオウムは何なのか。もしかしたらインコかもしれません。しかしオウムやインコに特定の意味は見出しにくく、特に何かを象徴している訳ではないと思います。ヘックスは寂しかったため、話し相手としてオウムを飼っていた、もしくは廃墟の中に住み着いていたオウムに餌をやり面倒をみていただけ、というのが正解のような気がします。

5.感電するエド
この時エドは何をやっていたのか?深く考えず見たままなのですが、一応解説。このシーンでは、ユニットを開ける時と感電する時、二回配電盤の中が写ります。配電盤一回目のカット、よく見るとイーサネット(もしくはモジュラー)の分岐ユニットがあります。そして二回目のカットでは、そこに入出力のユニットが取り付けてあり、最後に何かを接続しようとして感電するという流れになっています。そう考えると、話の流れ通りネット対戦用のチェスを接続していた、という事で間違いないと思います。

なぜこの考察をしたかと言うと、このシーン前半で、天井にある空調がショートして止まるという演出がありました。そのため、エドがそれを直しているという可能性を、潰しておきたかっためです。空調が止まったり、配電盤内のケーブルがテープで養生されている事など、ビバップ号には金がないため、ジェットが直している部分が多く、そのため漏電しやすくなっているという演出だったのではないでしょうか。

6.スパイク「チェスマスター・ヘックス、93歳」
月ゲート爆発事故のおさらい。当然の事ながら月ゲート爆発事故は、ゲートシステムの完成後になります。ヘックスが位相差空間ゲート制御プログラムの開発に参加したのは三十歳。第6話で月ゲート爆発事故は五十年前とありましたので、時系列的には合っていると思います。

7.廃ゲートの中を探索するスパイクとフェイ
フェイが中を探索している時に「あんたもやる」と大麻を勧めてくる女が登場します。その3カット前。中を探索しているフェイの後ろに、たくさんの鉢植が写ります。この鉢植、大麻草ではないでしょうか。形状的には大麻草かどうか微妙に判断出来ない(というか何か違う)部分もあるのですが、流れ的にそうであると信じたい所です。

またその前のカット。スパイクが探索している時に登場する鳥。多分ツバメ系の鳥がモデルだと思われますが、ハクセキレイ系の何かの可能性もあるかと思います。もちろんこれ自体には、特に意味はないと思われます。
 

太陽系に進出した人々の国籍

ゲート襲撃実行犯の詳細が表示される画面。よく見ると「Place of Birth」とあり、各実行犯の出生地が分かります。そして問題はその下。そこには「Nationality」とあり、国籍の記載があります。ストーリー全体を通して、太陽系にある政府組織に関しては、(ガニメデ政府や火星政府などは登場しますが)あまり詳しく語られません。そこで、とりあえず記載されている国籍を抜き出してみます。(ビッグショットでの登場からも合わせて抜き出します)

  • GANYMEDE – ガニメデ
  • TITAN – タイタン
  • IO – イオ
  • VENUS – 金星
  • MARS – 火星
  • CALLISTO – カリスト
  • EARTH – 地球

以上です。改めてこの部分から分かった事が一つあります。タイタンという国籍が存在するため、タイタンにも政府(国)がある事が分かります。そう考えた時、13話や劇場版で登場したタイタンの戦争とは、火星とタイタンの国(星)同士の戦争という可能性が高いのかもしれません。

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「カウボーイビバップ」各話の考察