2014.04.30

「トゥインクルがミサイルの発射ボタンを押すときの台詞はなんですか?」

カウボーイビバップ 第4話ゲイトウェイ・シャッフル

絵コンテ・演出:武井良幸 / 脚本:村井さだゆき

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賞金首のモーガンを追うスパイクとジェット。しかし環境保護団体「スペース・ウォリアーズ」にモーガンを殺されてしまう。その時、ジェットはその団体のリーダー・トゥインクルに2400万の賞金がかけられていることを思い出す。

第4話の主要スタッフ。絵コンテ・演出は武井良幸。脚本は村井さだゆき。作画監督・しんぼたくろう。メカ作画監督・後藤雅巳。

以下は核心部分を含みます

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現在では、枝分かれしたシーシェパードの方が有名になってしまいましたが、「カウボーイビバップ」が放送された頃、環境テロと言えば緑豆(正訳だと緑平和ですが、便宜上緑豆にしておきます)という印象でした。しかしなぜそう思うようになったのか、その出来事が思い出せない。今のようにネットが普及していなかった時期であり、かつ歴史に残るような大きな事件もなはずなのに、多くの人が「環境テロ」と聞くと反射的に「緑豆」と答えるような時代だったと思います。

なんとか記憶からひねり出せるのは、捕鯨船のスクリューにチェーンを巻き付けたとか、そのぐらいです。非暴力直接行動という方針の緑豆と違い、暴力で金集めをするシーシェパードの印象が強烈過ぎて、なぜ緑豆にそういった印象を持ったのかは、今では思い出しようもありません。

また個人的にはこの回から物語に引き込まれるようになりました。環境テロという設定の良さもさることながら、スパイクの格好良さに重点を置いた第2話・第3話と違い、賞金首のキャラクターと行動欲求がはっきりとしていたという点が大きいと思います。

< 第4話に関して >

今回も主人公はスパイクです。そして今回の出来事を通して、フェイがビバップ号の仲間に加わります。

また全体から考えると、第1話から第4話までが状況設定になります。解説は全話まとめでも行いますが、第1話・スパイクの紹介(+物語の設定)、第2話・アインの紹介、第3話・フェイの紹介、第4話・これから物語が進んでいく上での基本状況(+ジェットの紹介)となっています。

主人公

「スパイク・スピーゲル」

ストーリー

「賞金首を追いかけていたスパイクが、骨折り損のくたびれもうけ」

分岐点と概略

第一幕概略 「追いかけていた賞金首を殺されたスパイクが」
第二幕への転換点(6m45s) 「変わりにトゥインクルを捕まえる」
第二幕前半概略 「賞金首の換金が出来ない」
中間点(14m00s) 「トゥインクルを釈放する」
第二幕後半概略 「トゥインクルがガニメデ政府を脅迫」
第三幕への転換点(17m20s) 「再びトゥインクルに賞金がかかる」
第三幕概略 「トゥインクルを捕まえられず賞金もなし」

第4話を分解

カウボーイビバップ 第4話 パラダイム

1.レッドテイル内に響くビーコン
フェイが燃料切れで遭難している時、船が近づいてきた事をビーコンが知らせる。そしてその後、壊れたISSPの船からのビーコンをキャッチする。このシーンの意味を取り違えることはないが、最近までこの音は、レッドテイルが出している遭難信号だと思っていました。

2.スパイク「こっちはロブスターの味噌にと」
もしかしてウーロンが日本円でいくらなのか、その設定がいつ決まったかの手がかりがあると思い、文字盤に注視。スパイクがロブスターの味噌煮を注文したとき、ロブスターの絵の下に表示される「20」。この20はウーロンではないかと思ったが、その後に「Your order is accepted. Thank you. (改行)20.Lobster Rice Set 1」と画面に表示される。「20」は注文番号でした。

3.フェイ「プロペラントを分けて下さるだけでもいいんですけど」
SF物のアニメや小説で時々見かける「プロペラント」という言葉。なんとなく燃料っぽい物だと想像出来ますが、正確には推進剤の事です。

4.ボブ「人質はガニメデの住民800万人」
その直前、ジェットは「俺たちが同じ署にいた頃〜」とボブに語りかける。そして第3話での「昔ISSPってヤクザな商売してたもんでね」というジェットの台詞。このことから、ジェットが昔は警官だったこと、そしてISSPというのが警察組織だということが分かる。(実際はICPOに似た名前なので警察組織なのは、語感からすぐ理解は出来てしまうのですが)

そしてその後に上記から始まるボブの台詞。(第10話になるまで明らかにはならないが)ジェットがガニメデ出身という事を考えれば、「せっかく捕まえた大物だってのに」の後に「裏取引をしても何の解決ににもならないだろう」もしくは「釈放してどうするんだ」的な台詞があった方が良かったかもしれない。(この台詞が良いかどうかは分からないが)釈放後テロリスト達にどう対処するつもりかを聞かないと、ガニメデを心配するニュアンスを感じにくく、気持ちの重心が賞金に置かれ過ぎてしまっているような気がします。

5.釈放されるトゥインクル
この時スパイクはトゥインクルのポケットにウイルスを入れます。流れは、ウィルスを雑にあつかうスパイク。それに気付き表情を変えるトゥインクル。その表情の変化を見逃さないスパイク。その後にボブの「モンキー・ビジネス」の説明。そしてウイルスを返す、という順番です。

スパイクがウイルスに気づいていたことは分かります。しかし、スパイクはなぜウイルスをポケットに入れたのか?これに関しては、結末部分からスパイクが罠にかけたと考える事も出来ます。しかし、この部分のスパイクの表情から想像すると「そんなやばい物なら自分達で始末しろ」もしくは「〜持ち帰れ」といった感じではないだろうか。最後にトゥインクルの船内でウィルスが巻き散ってしまうのは、偶然の結果(もしくは作り手側の都合)だったと思います。

★.トゥインクルがミサイルを発射するときの台詞
オフアウト(Off out)?そんな英語あったかな?何回聞いても何を言ってるかが分からなかった台詞。分かる人はすぐ分かったのかもしれませんが、一応解説(後述)をしておきます。

6.男「ミサイル到達まで4分30秒」
この後スパイクとフェイがゲートから脱出をして、位相差空間に閉じ込められたミサイルとすれ違うのはほぼ3分後。そこから1分30秒後にガニメデに着くことを考えると、物語の時間もリアルタイムで進んでいます。

7.ジェット「仕方ねー」
自らの故郷でもあり、別れた妻・アリサがいるガニメデが、ウイルスでやられてしまうかもしれない状況。ここでのジェットの反応も若干淡泊過ぎると思いました。この後に「頼んだぞ」(もしくはこれのみ)といった台詞があっても良かったような気がします。

身も蓋もない解釈ですが、この時点でまだジェットの故郷がガニメデと決まっていなかったのではないだろうか。もしくは(ボブと同じ署にいたという事を考えると)ガニメデにいた事があるという設定のみで、アリサや出身地という所までは考えていなかったのではないだろうか。

8.閉じていくゲートから脱出するソードフィッシュⅡ
このシーンの音楽の切れ目。ここでは盛り上がるシーン始めから音楽を当て、そのシーン終わりと音楽の終わりを合わせるという、一般的な方法をとっていない。音楽を先に終わらせて、緊迫感を高め、シーン終わりを見せる。決して特殊な演出というわけではないのですが、この作品では度々この方法が使われます。

9.フェイ「また次に稼ぎましょう」
ここからフェイがビバップ号のメンバーになるわけですが、なぜフェイはビバップ号に残ったのでしょうか?ミサイルの迎撃前に、フェイはレッドテイルの燃料を補給しています。もし逃げる気であるならば逃げる事も出来たはずです。

ちょっとご都合主義的な解釈ではありますが、ミサイル迎撃時にスパイク達と賞金の取り分の話が成立したため、フェイはビバップ号の仲間として迎え入れられたと思ったのではないでしょうか。そのため、居場所を探していたフェイは、賞金稼ぎとしてビバップ号に残るという選択をしたのだと思います。
 

トゥインクルがミサイルを発射するときの台詞

何回聞いてもオフアウト(Off out)にしか聞こえません。あまりにも分からないので北米版の英語吹き替えで確認。なんとか聞き取ると、All of whirl?ぐるぐる全部?やはり全く聞き取れません。そこで英語字幕に頼ることにしました。すると英語字幕では「Au revoir」となっています。意味はフランス語で「さようなら」。発音記号は「òʊrəvwάɚ(オルヴォワール)」です

それでは改めて、トゥインクルの台詞を聞いてみたいと思います。やはり何という台詞なのか聞き取れません。しかし「Au revoir」と言っているような気もします。

どうしても確証が欲しかったので、後日フランス語が分かるという取引先の営業さんにそれとなく聞いてみました。というか何回もしゃべってもらいました。すると僕には「オヴォワー」と聞こえます。そして r が子音のため聞き取りづらく、音も小さいため「オ(レ)ヴォワー(ル)」みたいな感じかな、とも教えてくれました。非常に感謝します。僕に力があれば社内の事務機器を全部貴社の製品に入れ替えてあげたいくらいです。

それではもう一度トゥインクルの台詞を聞いてみます。

トゥインクル「オッフゥァヮー

……分かりません。これが限界です。結論!トゥインクルがミサイルを発射する時の台詞は「オッフゥァヮー」です。ちなみに、北米版(英語吹き替え)のトゥインクルは、フランスなまりの英語をしゃべっています。

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「カウボーイビバップ」各話の考察