2014.05.21

「犬と猫とヘビーメタル、そして片岡富枝さん。第7話はそんな話です」

カウボーイビバップ 第7話ヘヴィ・メタル・クイーン

絵コンテ:岡村天斎 / 演出:森邦宏 / 脚本:横手美智子

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1200万の賞金首・デッカーを追っているスパイクは、女トラッカーのV.T.と出会う。別行動でデッカーを探していたフェイは、デッカーを発見するが取り逃がしてしまう。その後、V.T. はデッカーの情報をつかみスパイクに知らせるが……

第7話の主要スタッフ。絵コンテ・岡村天斎、演出・森邦宏。脚本は横手美智子。作画監督・本橋秀之。メカ作画監督・後藤雅巳。

以下は核心部分を含みます

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個人的な感想ですが、地方に行けば行くほどメタル系の音楽は人気があるような気がします。速弾き速弾きアーンド速弾きみたいな感じで。そして聖飢魔II人気の強さ。個人的にはハードロックは好きなのですが、ヘビーメタルとなるとなんか好きになれないんです。まあ、明確な違いはよく分からないのですが……

第7話は非常に好きな回です。とにかくV.T.がかっこいい。そしてこれといって深く考察する事もなさそうなので、部分部分を追っていくレビューになると思います。

< 第7話に関して >

全体の状況設定に関してはある程度情報が出そろったため、第7話はスパイクとビバップ号のメンバーを中心にした完全な一話完結の物語として描かれています。

前半部分はスパイクとV.T.の出会い、デッカーを追うフェイのシーンが同時に(交互に)進む二重構成になっています。そして、中間点でスパイクとフェイがビバップ号に帰還し、二つの軸が一本につながります。細かい事を言えば、前半のフェイがデッカーを逃がすというシーンはいらないような気もしますが、この時にレッドテイルがデッカーにやられていないと、三幕でのソリッドニトロ回収の下りは出来なくなってしまいます。そう考えるとご都合主義的ですが、上手にストーリーが組み立てられています。

主人公

「スパイク・スピーゲル」

ストーリー

「賞金首を追っていたスパイクが、炭鉱に閉じ込められるが、知り合った女トラッカーと協力して脱出する」

分岐点と概略

第一幕概略 「賞金首のデッカーを追っていたスパイクが」
第二幕への転換点(5m20s) 「デッカーが来るという店に入る」
第二幕前半概略 「V.Tと出会う」
中間点(11m40s) 「V.T.に送ってもらう」
第二幕後半概略 「V.T.がデッカーを見つける」
第三幕への転換点(18m10s) 「デッカーが死にライナス炭鉱に閉じ込められる」
第三幕概略 「ライナス炭鉱から脱出」

第7話を分解

カウボーイビバップ 第7話 パラダイム

1.ドックへと帰還するヘビーメタルクイーン
V.T.のトラック「ヘビーメタルクイーン」。一瞬ですが船首部分が映ります。そこにはVTの文字と鷲の船首像。V.T.が女性であるため、女神像でない事は理解できますが、不勉強のため鷲が何を意味するのかは分かりませんでした。また一点だけ補足をすると「ヘビーメタルクイーン」は船名だと解釈したのですが、V.T.自身の可能性も若干ですが考えられます。

★.しつこいよううだが1ウーロンいくらなのか?
第4話では料理のメニューに料金はのっていませんでした。しかし今回 V.T.とスパイクが出会った「m4c’s DINER」の店内には、メニュー料金が表示されています。そう考えると、この辺りで1ウーロン=1円という設定が確定していると考えられます。しかしそうなのでしょうか?詳しくは後述します。

2.フェイ「わたしの1200万」
逃げていくデッカーを見ているフェイの台詞。しかしこのカット、建物の構造が分かりづらい。前後から判断すると、駐車場にレッドテイルで進入。しかしデッカーのソリッドニトロでやられる。そして、フェイは駐車場におり、床にある窓から逃げていくデッカーのトラックを見ている、という状況だと思います。

3.ジェット「誰が修理すると思ってんだ」
この台詞のカット。いささかどうでもいい情報ですが、後ろの棚に原子力のマークが貼ってあります。機関部分ではなく、棚に貼ってあります。今後のストーリーで原子力関連の出来事や劣化ウラン弾のような武器が登場するわけではないので、これが何であるのかは最後まで分からずじまいです。

4.コクピットにぶら下がるペンダント
コクピット内 V.T.の斜め上からのカット。ペンダントはこの時に初出。しかし、ピントは V.T.に合っているため、ペンダントとは気付きにくいかもしれません。そしてここから、4 → A → B → C → ラストと徐々に確認出来るようになります。

(A)スパイダーマイクからデッカーの情報を聞いている時のコクピット内、V.T.の横からのカット。画面中央上部にはっきりとペンダントが確認出来る。

(B)デッカーの投げたニトロが爆発し、V.T. がブレーキを使い落石を回避するカット。その時のコクピット正面からのカットにも、ペンダントが映っています。スピードに加減をつけているため、ペンダントは揺れています。

(C)ハッチを開けた際、室内の空気が抜けコクピット内の物が飛び散ります。その時の風の勢いを表現するため、ペンダントが飛ばされそうになるカットが単独でインサートされます。しかし、まだペンダントはぶら下がっている状態です。

そしてその後、スパイクをつかもうと V.T.が手をのばしますが、炭鉱自体が揺れ、スパイクは飛ばされてしまいます。この時も揺れの勢いを表現するために、ペンダントのカットがインサートされます。そしてこの時はペンダントをぶら下げているひもが一瞬でほどけ、ペンダントは画面から消えてしまいます。つまりこのタイミングで、ペンダントがコクピット内を浮遊し始めました。

5.オットー「そうそうそれじゃ」
V.T.「ちょっとまってそれ弁財天じゃない」という台詞を受けての台詞。そしてそれ以外のトラッカー達にも「弁財天」で通じてしまいます。一般的に弁財天と聞いて、そうそうイメージ出来ないような気もしますが……

その弁財天をサクッと解説します。七福神の一人であり唯一の女性です。琵琶を持っている神様です。芸事の神様だったり、商売の神様だったりと人によって説明が違います。芸事の神様の場合は「弁才天」と書くことが多いかもしれません。有名な所だと江島神社にまつられています。とにかく、琵琶を持ってる女性の神様です。

6.フェイ「こんなのつけるの」
この回では、レッドテイルに物をつかむアームが取り付けられます。後半でソリッドニトロやソードフィッシュの回収に役立ちます。しかし第8話以降からは、ガンアームへと戻ります。今回だけなぜこのアームをつけたのかは謎です。

7.スパイク「今積んでるのは取引しようとしてたソリッドニトロだ」
そしてこの後、炭鉱からの脱出を試みるのですが、その際にデッカーのトラックを連結して引っ張って行きます。しかしこのデッカーのトラック連結が若干分かりにくいです(もちろん台詞で確認出来ますし、連結のインサートカットもあります)。その理由は、今まで弁財天のトラックという情報が繰り返し出てきたにもかかわらず、側面しか映っていないためだと思います。側面の構造からはデッカーのトラックである事は、はっきりと判別出来ます。

またここで登場した二つの用語解説。

ソリッドニトロ
ソリッドは個体状という意味です。つまりソリッドニトロは個体状のニトロの事です。

リアクター
原子炉という意味もあるのですが、ここでは炭鉱の動力装置という意味だと思います。実際、宇宙空間でこれだけの物体を動かす装置ですので、原子炉でなくても誘爆した際は、非常に大きな爆発になると思います。

8.ライナス炭鉱から脱出
ソードフィッシュはスパイクが脱出しポッドがなくなった状態です。それではソードフィッシュはどうやって回収されたのか?ポッドが出口の岩に向かい爆発したとき、爆風に耐えるヘビーメタルクイーン・レッドテイル・ソードフィッシュの三機のカットがあります。一瞬なので気付きにくいのですが、レッドテイルがソードフィッシュの右翼をアームでつかんでいる事が確認できます。

そしてこの後、ヘビーメタルクイーンに押し出されるような形で、ソードフィッシュ、レッドテイルの順で炭鉱から出てきます。ただその時はソードフィッシュを離している状態です。

9.フェイ「がっさーい」
「がさい」なのですが、正直僕はこの言葉を聞いたことがありませんでした。こればかりは分からなかったので、ネットで調べてしまいました。該当したのは、北海道の方言と京言葉。

北海道方言では「格好が悪い」という意味。京言葉では「荒い」という意味。状況的にはどちらの意味でも通じてしまします。ただ単語の用法的には、京言葉の「がさい」は形容詞であるため、単独の台詞としては若干おかしいような気がします。そのため、ここでは北海道方言の「格好が悪い」という意味で使われていると判断しました。
 

しつこいよううだが1ウーロンはいくらなのか?

1ウーロン=1円という設定はここで確定したのか?実はよく見ると怪しげな感じです。

まず名前当ての掛け金ですが、これは1000ウーロンです。この1000ウーロン札、寄りで映るときは手で隠したり、引きで映るときは最後の0を枠外の線に紛れ込ませたりと、ぱっと見いくらか分からないようにしてあります。しかし間違いなく1000ウーロンです。つまり V.T. が持っているのも1000ウーロンの札束、ざっと50万前後といったところでしょうか。

そしてここからが問題の部分。店内カウンターに設置されているメニューの金額です。まず確認出来るメニュー(一部)を抜粋します。

TON HAGH 1.99
SUPER 89
OLD 1.29
ICED TEA 1.99
SHAKES 1.09
COFFEE 65
APPLE PIE SET 11.90
DRINK 3.15
(HAMBURGER) 89
SET S 3.25 L 5.06
BIG HAMBURGER 1.29
HAPPY SET 1.29

 
カットによってメニューや金額が変わったりしますが、注目する所はそこではありません。気になったのはこの金額に打たれているピリオドです。この世界では100ウーロンと10ウーロンの間にカンマを打つという決まりかとも思いました。しかし第24話でエドが賞金をかけた際、カンマとピリオドを明確に区別しています。そして何より、賞金首の情報画面では100単位でカンマが打たれているのです。

上記から推測出来ることは、スタッフ間でまだ1ウーロンがいくらかという設定は、共有されていなかったのではないのでしょうか。

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参照・引用(外部リンク)

weblio 北海道方言辞書http://www.weblio.jp/content/がさい
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「カウボーイビバップ」各話の考察